システム施設全体が環境です。
農業用温室は、簡易なパイプハウスからガラス温室まで多様にあります。そのような選択枠から作物や作型を決めていきます。寒くなれば保温し、暑くなれば換気をしなくては作物はダメージを受け育ちません。また、冬場の日中は太陽で暖かくなりますが、春先などの太陽は強く日差しを遮らなければいけない場合があります。
自然相手ですから、環境は日々変化します。栽培者がきめ細かく管理できれば良いのですが、限界もあります。そこで、機器による温室コントロールを行い最低限の環境管理を行えば、栽培期間の長期化・他の作業に専念できます。※1
例えば、
① 雨センサーにより、天窓の雨侵入を防ぐことができます。※2
② 風センサーにより、一定以上の強風による天窓事故を防ぎます。※3
③ 日射センサーにより、日差しの強い時期の温度上昇を抑えます(遮光カーテンを閉め、こかげをつくります)。※4
④ 温度センサーにより、冬場の低温(天窓を閉める・保温カーテンを閉める・暖房機稼働・撹拌扇稼働等)春・秋の高温(天窓を開ける等)を複合的に制御できます。※5
上記の動作を複合的にコントロールすることが環境作りの基礎となります。
※1 主栽培者は作動状況のチェックを怠らない事。
※2 サイド換気の巻き上げ・保温用内張は手動となります。
※3 猛烈な突風など、対応できない場合があります。
※4 晴れと曇りの変化が激しい場合(山岳気象等)注意が必要となる場合があります。
※5 地域により、夏期など温度抑制に限界があります。
屋根の形状で雪の滑落性を良くする・天窓を増やし換気を良くするなど、地域を見据えたリスク管理をすることができます。また、屋根のフィルムには約5年耐用(PO)から20年以上耐用※6(PET・フッ素等)する素材があります。経年変化による光線透過率や、素材の強度、紫外線カット率(保温遮光カーテン等、温室内資材の劣化を防ぐ等※7)など特性があります。
カーテンフィルムは耐用年数や保温性や吸湿性・遮光率・収縮率などの性能特性が問われます。地域により2層(上層:遮光保温・下層:保温)・1層(遮光保温)など、選択でき投資コストを抑えることができます。※8
※6 耐用年数はあくまで目安となります。
※7 紫外線を利用するミツバチ・ナス栽培が制限される場合があります。
※8 層が少なくなれば、保温率が下がり燃料経費が増加します。
検討事項は数多くあり、地域に応じた環境管理が重要となります。管理は基本的に24時間なので、機械化できるところは是非利用したいものです。利便性が向上する反面、投資コストは増加しますのでバランスを考える必要があります。
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